大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和48年(オ)18号 判決

上告人 検事総長 大沢一郎

上告人補助参加人 大石勝(仮名) 外二名

被上告人 松野寿(仮名)

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告補助参加人代理人青柳洋の上告理由について。

原審の適法に確定した事実関係のもとにおいては、被上告人は、亡大石イトの認知をまたずに同女との親子関係を主張することができ(最高裁昭和三五年(オ)第一一八九号同三七年四月二七日第二小法廷判決・民集一六巻七号一二四七頁参照)、同女が死亡した後は検察官を相手方として同女との間に親子関係が存在することの確認を求める訴を提起することができるものと解するのが相当である(最高裁昭和四三年(オ)第一七九号同四五年七月一五日大法廷判決・民集二四巻七号八六一頁参照)。原判決に所論の違法はなく、論旨は、採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 岡原昌男 裁判官 小川信雄 大塚喜一郎 吉田豊)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例